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Dum loquimur, fugerit invida aetas. Carpe diem, quam minimum credula postero.

   
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 もう大分前の話になりますが、「ハイ○ーホビー」という雑誌の12月号にシュガー佐藤氏と土山よしき氏による「009」のコミカライズの再録冊子が付くというので 、いそいそと購入いたしました。
 これまでその存在すら知らなかった雑誌を買わせてしまうとは、改めて恐るべし、島村ジョーとその仲間たち。

 ところで、もともと漫画である「009」をコミカライズってのも、少々ややこしい話しではあります。まぁ、アニメ版を漫画にしたり、作者のオリジナル話があったりと、いわば公式同人誌みたいなもんでしょうか。
 ビデオやDVDがなかった時代の産物ですね。

 土田氏の掲載作は、一平とかいうオリキャラが結構出張っているのもアレですが、ジョーのヘアスタイルが全くジョーではない上に性格的にも別人だし、これが「009」だと言われてもなぁ…
 ちなみに、土田氏はジェットのファンなのか、それともたまたまなのか、掲載されている2作品ともジョーよりむしろジェットが大活躍。
 ジョーの加速装置がマッハ3、ジェットがマッハ5という設定を最大限に生かして、ジェットが敵にトドメを刺しておりましたよ。

 一方、シュガー氏の掲載作は、「作戦司令・悪魔の国をすくえ!」と「ししまいサイボーグの正体」。
「悪魔の国をすくえ!」は79年版のサイボーグ帝国の話(元レスラーの大統領がサイボーグ法案を云々という話)を下敷きにしてあるっぽいのですが、ストーリーは全く違っております。
 話のメインはフランソワーズ。現地の男性に「君のような美しい人をサイボーグになんかさせない」とか言われ、手を握られちゃったりしておりますよ!
 原作にせよ、79年版にせよ、モテモテなのはいつもジョーだったので、これはちょっと新鮮で面白いな〜。

 が、もっと面白いのは「ししまいサイボーグの正体」。
 もうね、タイトルからしてギャグなのか真面目にやってるのか 、ちょっと判断が付きかねますが、あらすじはざっとこんな感じ。

 新年を迎え、羽織袴姿のジョー(どっから持ってきたんだ、それ…)と晴れ着のフランソワーズが二人で歩いていると、テケテンテケテンと太鼓を打ちながら獅子舞があらわれて、道行く人々(なぜかカップルばかり)をいきなり攻撃。
 皆さまお察しの通り、この獅子舞はサイボーグなんですが、その攻撃を雪玉で防ぐジョーが熱いぜ!
 つか、雪玉で防げる攻撃ってどうよ… 
 そして、その後のジョーと獅子舞の一騎討ちは、それなりに盛り上げてはあるものの、シュール過ぎてもはやギャグとしか思えません。
 さらに、このジョー、自分のこと 「オレ」 って言ったかと思えば、
「あきらめろ、もう逃げられん、わたしの加速装置の方がすぐれているんだ!」
 とか、いきなり 「わたし」になった上に、ちょっと加齢臭漂う上司っぽいしゃべりになったりして意味不明。

 一人称や口調ってキャラ形成の根本要素の一つだと思うのですが、一応オフィシャルな作品のはずなのに、どうしてそこの辺りがテキトーなのか、どうもよく分からない。
 だってさ、仮に源三さんが、「ボクは若林源三。タイマン勝負ならいつでも相手になるよ!」とか言ったら、嫌でしょう、あなた。

 ・・・いやまぁ、獅子舞サイボーグに話を戻しましょう。
 彼は自ら望んでサイボーグになったそうなんですが、その理由が色んな意味でなんとも泣かせるのです。

 ブサイクで女の子に相手にされないから。

 だって!
 なんなのよ、そのとてつもなく形而下的な理由は!
 善と悪についての哲学的な問答をしていた「ヨミ編」から、思えば随分遠くに来ちまったなぁ、おい。
 しかしまぁ、獅子舞の下から現れたその顔を見れば、確かに相当ひどいです。これ、作者は楽しんで描いたんだろうなぁと思うほどに力の入ったブサイクっぷり。
 驚くべき正体と言えば、そう言えなくもないような… 

 で、そんな非モテの獅子舞君、腹いせにサイボーグになって幸せそうなカップルを狙ったというわけなんですが、それを聞いたジョーが、

「お前が愛されないのは顔じゃない!心が優しくなければ愛されることはできない!」

 ですってよ!
 超美形のお前が言うとまったくもって嫌味にしかならんというか、要するにコレ、「お前は顔も悪いが心も大概だ」と言ってるわけですよね。
 その上、偉そうに説教ぶっこいてるジョーにフランソワーズがひしとこれ見よがしに寄り添ったりして、獅子舞君の劣等感をいやが上にも煽っています。

 ひどいな、この人たち。
 誰か雪玉ぶつけてやれ。
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 ようやく半分までたどり着いたぜ。
ちょうど「ミュートス」編が終わって切りがいいので今年はここまで。続きは来年見ます。
 てなわけで、第25話覚書き。

・・・Read more...

  
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