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Dum loquimur, fugerit invida aetas. Carpe diem, quam minimum credula postero.

   
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ダ・ヴィンチ・コード
 ハリポタ同様買って暫く放ったらかしで、今更ながら読みました。相変わらずもの凄い勢いで世間の波に乗り遅れておりますよ。

 以下、大きなネタバレはありませんが、多少内容に触れながらの感想なので、未読の方はご注意下さい。

 
 えー、薀蓄盛り沢山の宗教絡みミステリと言えば「薔薇の名前」が思い浮かびますが、あちらに比べるとかなりライトかつエンターテイメントに徹していて、「薔薇の名前」がエスプレッソならこちらはアメリカンってな感じでした。
 もちろんアメリカンにはアメリカンの味わいがあり、これはこれでなかなか美味しく頂きましたです。
 歴史事項の記述がいい加減だとか間違ってるとかいう批判もあるようですが、まぁその辺は別にさ、歴史資料なわけじゃなく、エンタメ小説だからね。むしろ程良くトンデモで面白かった。
 ま、それでも流石に「最後の晩餐」が ”最も有名なフレスコ画” となっていたのには、そこまでいい感じで繰り広げられる薀蓄を楽しんでいただけに、ちょっぴり冷めてしまいましたが・・・

 暗号→薀蓄→シンキング・タイム→解読→新たな暗号→薀蓄→シンキング・タイム・・・という感じでどんどこどんどこ話が進んで行くので、しまいにはミステリというよりは 「暗号解読演習・その解答と手引き」って雰囲気になってきたのですが、暗号(暗号と言うよりは格調高いなぞなぞって感じだけどね)がなかなか良く出来ているので、頭の体操感覚で最後まで飽きずに楽しめました。
 ただ、逆に言えば、この本はそこに尽きてしまうような気もしないでもないんだよなー。ぶっちゃけフーダニット的ミステリ、あるいは物語としては今一つ、いや、今三つくらいだったような気が。
 てか、そもそもストーリー中あちこちに名前や作品は出てくるものの、これ、結局のところダ・ヴィンチはあんまり関係ないよね。
 それこそ「薔薇の名前」ではラストに至ってそのタイトルの深さに感動すら覚えたのですが、こちらはラスト辺りの展開のゆるさも相俟って、読後ちょっとぽかーんとしてしまったのも事実です。
   
 でもって、反キリスト教だとか事実無根の作り話だとか色々物議を醸し、ボイコット運動までに発展していたので、一体どれほど凄いことが書いてあるんだろうと、その辺も野次馬根性全開で楽しみにしていたのですが、正直言ってこれも少々肩透かし。
 や、この場合の肩透かしっていうのは別に作者が悪いわけではなく、え?教会関係者ってこの程度のことにマジ切れしてたの?っていう意味です。
 もちろん信者の方にとってはとても重要なことであるのは重々承知ですが、問題になっているキリストとマグダラのマリア云々は特に目新しい説でもないし、寧ろ今更感すら漂う感じだったので、どうして今回、あんなに大騒ぎになったんだろうなぁと。ベストセラーになって映画化までされちゃったからかなぁ。
 でも、学術論文として発表されたならまだしも、これって小説なわけだしなぁ。作り話の絵空事で当たり前な訳だしなぁ。中にはフィクションとノンフィクションの区別が付かなくなっちゃう人もいるにはいるだろうけど、大方の人は一種の面白トンデモ本として楽しんでるんだと思うんだけどなぁ。
 まぁ、一般への浸透とかを考えると、気軽に読めるフィクションだからこそタチが悪い部分もあるのかもしれないとは思い、そしてオプス・デイが抗議したくなる気持ちはちょっぴり分からんでもないのですが、なんつーかこう、色々大変だよね、神様関係は。

 それはともかく、この本に書かれているキリストとマグダラのマリアの関係が真実だった場合、それって信者にとってはどれ程の衝撃なんだろう。
 キリストの神性が失われるというのは信仰の根本を揺るがす大激震だってことは理解できますが、どうも感覚として分からない。一体どれくらいの震度なんだろうなぁ。
 非キリスト者としては、イエスが妻帯してようと子持ちだろうと、キリスト教思想自体の価値が下がるわけじゃないし、別に構わないんじゃないの。大体妻子がいるから神性がなくなるって言うのも変な話しだよなぁ、オリンポスの神様達なんて結婚して子供がいるだけじゃなく浮気までしてるけどそれでもやっぱり神様だし、などと実にお気楽に思ってしまうわけですが、まぁ実際はそんなに単純な話ではなく、信者の方々からすれば世の中がひっくり返っちゃうような大ショックなんだろうなぁ、やっぱり。

 あれかな、身近な例で想像してみるに、それって例えば20年以上に渡って愛し続け信じ続け応援し続けている心のチームが、八百長していたと知らされた時のショックみたいなもんかな。
 そして更には自分達のやったことを棚に上げ、FIFAによる国際大会締め出しの警告もさっくり無視して損害賠償を求めたり、果てはイタリア代表のために訴訟を取り下げるから代わりにペナルティを軽減しろなどという世迷いごとを言い出したりと、クラブ上層部が大迷走し恥の上塗りをする様を目の当たりにした時の失望感みたいな感じなんでしょうか。

 いやもう、ホントに、全くね・・・ 
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