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Dum loquimur, fugerit invida aetas. Carpe diem, quam minimum credula postero.

   
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◆ サ.イ.ボ.ーグ.0.0.9 平.成.版アニメ感想 (第28話)
第28話覚書き。

#28 闘いの未来

 力を使い過ぎたイワンは夢の世界へ。お疲れ様でした。前々回はやくたたずだなんて言ってごめんね。

 さて、イワンが眠っちゃったからには、敵と戦うためにチャイルド達の力を借りないわけにはいかなくなったわけですが、戦うと死んじゃうんです、っつーから困りもの。
 そんな中、ジェットは 「そもそもお前らが持ち込んだゴタゴタなんだから、お前らにも働いてもらう」 と至極もっともなことを言い、彼らに戦うように迫ります。

 ちなみに、00ナンバーとチャイルド達の意思疎通のかけ橋となっているのがチャイルド達のリーダー格であるパル君。他のチャイルド達はテレパシーでしか会話ができないんだけど、彼だけは発話できるのだ。
 テレパシーでしか会話が出来ないのはイワンだって一緒だけど、イワンはジョーたちと普通に意思疎通してるよね、っていうのは禁句ですので、ひとつよろしく。
 このパル君はジェットとジェロニモが南米のジャングルからビックアップしてきたチャイルドなんですが、その際、川に落ちてピラニアに襲われるという恐怖体験をしたんですね。特に大事に至らずジェットに助けられるのですが、その時のショックで何故かしゃべれるようになったらしい。
 ちなみに、パル君を助ける時に川に飛び込んだジェットがピラニアに食いつかれて大慌てしてるんですけどね、えっと、サイボーグ・・・ 
 ・・・いやいや、皆まで言うまい。

 ともかくも、諸悪の根源を元から断ち、パルたちの仲間を救い出そう!ってことで異次元世界へレッツゴー!

 で、あっという間に異次元世界に到着したものの、相変わらず 「戦えない」 と言うパルたちに 「戦え!」 と拳を振り上げるジェット。怯えるパル。
 前回から終始一貫、ジェットがやたらとチャイルド達に戦え戦え戦うことを覚えろと迫るので、一体なんでなのかと思ったら、それにはちゃんと理由があったのでした。
 彼はスラムで生きていた頃、ヤバイ仕事を強いられながらも無知と無力ゆえに逆らうこともできず、ただ暴力に怯えるだけで、助けを求めることもできずにいた子供達をたくさん見てきたのだそうな。で、されるがままになっている子供たちに自分達で戦う事を教えたかったんだと、そういうことらしい。
 要するに、スラムの子供とチャイルド達を重ねて見ていたわけですね。

 このあたり、いきなり004が銃を突きつけて「何もせずにみすみす殺されるより、力を使って戦って死ね」と迫る原作よりも、脈略と説得力があるように思います。
 暴力に怯える子供たちをたくさん見てきたと言いながら、自分が暴力に訴えるのはいささか矛盾があるまいかと思わんでもないけれども、これもジェットとしては(珍しく)ちゃんと考えがあった上での行動らしい。
 彼曰く、「パルが言葉を話し始めたのは、ジャングルの奥地でピラニアに襲われた恐怖がきっかけだった。だから、恐怖を覚えさせればそのショックでチャイルドたちの闘争本能も目覚めるはずだ」なんだって。
 あの平成ジェットが少々短絡的ながらそこまで考えて行動していることにちょっとびっくり。シリーズも折り返し地点まで来て、君も成長したんだなぁ。
 もっとも、「単に恐怖を与えるだけで闘争心が目覚めるなら、敵に襲われた時点で全住民の闘争心が目覚めているはずだ」 とジェロニモに論破されてはおりますが。

 ところで、ジェットがパルを脅してるのをフランソワーズが止めようとするのですが、それを再三にわたってジョーが遮るんですよ。
 なので、ジョーとしてはジェットに何か深い考えがあってのことと分かっていたのかと思いきや、ジェットが上記の種明かしをした時に、「ジェット、君は彼等を目覚めさせるためにわざと・・・」とかって言うのです。
 てことは、ジョーって特になんらかの策があったわけではなく、ただ単に「こいつら本気で脅してやれ」と思ってたってことか。
 可愛い顔してシビアだな、平成ジョー。
 
 まぁ、その後なんやかんやありまして、結局は涙ながらに戦うことを訴えたジェットに心動かされ、チャイルド達が闘争本能に目覚めます。
 チャイルド達を目覚めさせたのは「恐怖」じゃなくて「心から救いの手を差し伸べてくれる存在」だったんだって。ピラニアの時も、ジェットが必死になって助けてくれたことに心を動かされたんだって。なるほどね。
 でも、なんでサイボーグなのにピラニア・・・ いやいやいや。

 チャイルド達が目覚めた後は、敵も見事に撃退して一件落着。
 で、こっちの世界に00ナンバー達を送り届けた後、パルが 「これからは自分たちで闘い、僕らの世界を元通りにしてみせます」 と言って去っていくのですが、その時、足元の花を踏み潰すんですね。が、彼はそのことに気付きもしない。
 唯一それに気付いたフランソワーズが、「本当にこれで良かったのかしら?」と胸に一抹の疑問を抱くラストは原作通り。台詞がかなり長く、説明的になってましたが。
 が、その後、彼らの船の形が敵の戦闘機と同じ形になるってのは流石にちょいとやり過ぎっていうか、説明し過ぎかなぁと思いました。
 あ、彼らの飛行船は不定形物体で出来ており、思念がそのまま形になるんですね。それまではナスカの地上絵そっくりの形状だったのですが、闘争本能に目覚めた彼らは、生き抜くための「闘い」に向けて、敵の戦闘機をモデルに選んだというわけです。
 まぁ、チャイルドたちの未来をとっても分かりやすく暗示していると思うんだけど、分かりやすい分、逆にそこはかとない怖ろしさや遣り切れなさみたいなものが薄れてしまったような。
 花のシーンだけで十分分かるし、それだけにとどめておいた方がインパクトあったんじゃないかなぁ。

 ここに限らず、このシリーズはお子様向けに分かりやすく、説明をくどくしてるんだろうと思われる部分が多々あるんですが、実はそれって全く必要のない配慮なんじゃないかと思うのね。
 お子様を侮っちゃいかんと思うのですよ。お子様はお子様なりに感じて考えるだろうし、例えその時は分からなくても、分からないなりに何かが心に引っかかって、大きくなってからふとその意味するところに気が付くってこともあるんじゃないのかなぁ。
 懇切丁寧に説明してもらって分かった気になるよりも、そういう理解の仕方の方が、物語との関係として幸福だと思うのですよ。

 ・・・とかなんとか最後に色々書きましたが、それでも、今回はなかなか面白かった。上手いこと平成風にアレンジしたなぁと思います。
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解説が本当におもしろいです!
009、申し訳ないことに本当に知ってる部分が少ないんですが、
そんな自分でもかおり様の覚え書きを拝見すると一本観た気になります。
自分自身は時間かけて鑑賞していないのに、かいつまんだ紹介と突っ込みで
十分楽しめちゃう、とってもお得な気分♪

ふと思ったんですが、おもしろいけど世にあまり知られていない映画や本の紹介を
かおり様がされたら、たくさんの人を引き込めるんじゃないでしょうか。
私だったら、つい、観たくなっちゃう。

今回は最後の「お子様を侮っちゃいかん」にひどく共感しました。
世の中にはすぐにわかる答えと、時間をかけてゆっくりわかる答えと、
ずっと考え続けていく答えと、たくさん種類があるんですよね。
いちばんつまらないのは、自分が答えにたどり着く前に先に丁寧に提示されちゃって、
わかったつもりになっちゃう解答だと思います。
不粋ってもんだ、「それをいっちゃあおしまいよ」です!
今日もありがとうございました!
ありがとうございます〜!
こんにちは〜♪
いやいや、なにやら過分なお褒めの言葉を頂戴いたしまして、ちょっぴり照れてしまいましたよ。ありがとうございます。

お子様は侮っちゃなりませんよね〜。
私が「009」と出会ったのはそれこそお子様の頃だったのですが、この作品のどこがそんなに幼心にヒットしたんだろうと今考えてみると、まぁ、キャラの魅力やら加速装置やら長いマフラーやらっていうのはもちろんあるんですが、作品全体のテーマやメッセージに、幼いながらも共鳴していたんだろうなぁと。
で、「009」という作品のテーマやメッセージというのは何だろうと、原作やアニメを見ながら、大人になった今でも考えているわけですよ。
「正解」はないというか、人によって違うわけですが、そういう作品に出会えるというのは、とても幸せなことだなと思います。

最近の日本では「分かりやすく解説する」のがブーム(?)ですが、解説できなかったり、人によって答えが違ったりすることって世の中にたくさんありますよね。
用意されたものを消化しているだけだと、自分で疑問を持って、調べて、考えて、判断してっていう力が弱くなっていくんじゃないかと、ちょっと心配になったりり。もちろん、自戒を込めてですが。

映画や本の紹介などという大それたことはできませんが、今後もなんやかんやと気の向くままにぬる〜い感じでブログをやって行きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします♪
  • かおり さん |
  • 2010/08/22 (22:12) |
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