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Dum loquimur, fugerit invida aetas. Carpe diem, quam minimum credula postero.

   
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質量・エネルギーの等価性法則とモンドリアン
 天文学のお偉いさんたちが話し合った結果、太陽系惑星が12個に増えるどころか、冥王星が格下げになって8個に減っちゃうかもしれないらしいですよ。
 えー!?そんな、増やすどころか減らすだなんて、複雑な現代社会の多様なニーズに対応する占星術ニューエイジ計画は一体どうなっちゃったのさ。
 

 と、まぁそれはともかく、実は私、子供の頃、天文学者になりたかったのですよ。
 子供の夢なので真剣に学問を志していたわけではもちろんなく、単に星や星雲の写真を見るのが好きだからとか、超新星だのブラックホールだのが面白いからとか、動機と言えば、まぁそんな程度。
 要するにケーキが好きだからケーキ屋さんになりたいとか、おもちゃがいっぱいあるからおもちゃ屋さんになりたいとか、そういったレベルの話なんですが、それでも小学4年生くらいまでは天文学者を夢見ておりました。
 まぁ、残念ながら自他共に認める筋金入りの数学低能なので、夢は夢のまま終わってしまったわけですが。
 
 現在では、学者どころか中学レベルの数学でさえおぼろげな状態なので、天文学やら物理学やら量子力学やらは、私にとってはそれこそ別の惑星のお話です。
 が、詳しいことは理解出来ないながらも、子供の頃の憧れや興味を今もまだずるずると引きずってまして、宇宙・天体関係のニュースとか「文系にも分かる相対性理論」みたいな本にどうしても心惹かれちゃうんだよね。
 なんつーか、手の届かない高嶺の花とは知りつつも愛さずにはいられない、とかそんな感じです。

 物理といえば、高校時代の物理の時間、先生が黒板に 「E=mc²」 と書き、その公式を眺めながら、「美しいですね。本当に美しい。完璧だ」としみじみ溜息を吐いていた事がありました。
 もちろん、文系女子相手にその公式の意味を説明しようなどという恐ろしくも不毛な事をその先生が目論んでいたわけではありません。単に授業中のちょっとした脱線だったんですが、ともあれ、白衣着て腕組みしながら、「美しい、完璧だ」って繰り返すわけです。公式相手に。

 その時の私は、先生の言わんとすることは頭ではなんとなく分かるものの、「美しい」というその感覚を今ひとつ肌で感じることが出来なかったんですよ。だってさ、公式だよ、公式。拒絶反応こそ覚えはすれども、美しいなどとは到底思えないさ。
 で、やっぱり理系の思考回路はよく分からないななどと思いつつ、その一方で自分には感じることすら出来ない美しさが分かるっていうのがちょっと羨ましく、そしてちょっと悔しかったりもしたんですが、そんなことはすっかり忘れた数年後、とある美術館でモンドリアンの作品を見た瞬間に、「あぁ、これだ!」とようやく理解し、実感出来たような気がしました。

 その作品というのは有名な「コンポジション」の中の一作だったのですが、ぎりぎりまで単純化された線と色と空間の中に全てが存在し、そしてそれらがしっくり整然と調和し合っていて、とても美しかった。どこまでも完璧だった。
 物理学と絵画では分野が全く違うけど、あの先生に溜息を吐かせたE=mc²の美しさっていうのはきっとこれに違いないと、作品を見ながら興奮と爽快感が混ざり合ったような気分だったのを覚えています。

 そんなわけで、私にとっては (E=mc²)= モンドリアン。物理とか宇宙とかの言葉を聞くと、もれなくモンドリアンがついてくる。
 そして、考えて見れば数式とか公式っていうのは一種の抽象絵画みたいなもんなのかもしれないなぁなどと思ったりしてるんですが、残念ながら肝心の公式の意味は何年経っても相変わらずよく分からないままです。
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