忍者ブログ

Dum loquimur, fugerit invida aetas. Carpe diem, quam minimum credula postero.

   
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

◆ サ.イ.ボ.ー.グ.0.0.9 平.成.版.アニメ感想 (第48話)
第48話覚書き。

#48 「地上より永遠へ」

 さてさてオーラスですが、急ぎ足だったのがちょっと残念でした。
 5人姉妹の処刑、ジョーと会長の闘い、地下帝国からの脱出、魔神像内での最終対決、残されたメンバーたちのあれこれ、「どこに落ちたい?」と、1回の内容としては盛りだくさん過ぎた。
 魔神像内での最終対決〜ラストにせめて1回分使って欲しかったなぁ。全部で8回は欲しかった。

 会長さんに撃たれて息も絶え絶えのビーナ。ハインリヒの腕の中で、「あなたと一緒にここを出たかった・・・」と言い残してお亡くなりに。
 これ、ハインリヒは辛いわなぁ。「あなたと一緒にここを出たい」なんて、ヒルダさんと全く同じシチュエーションだもの。

 会長とジョーの戦いはもうちょっとじっくり見たかったよ。だって、最後の加速装置対決ですよ!
 すごくカッコよかっただけに、短時間であっさり終わってしまったのは残念。ハインリヒの援護射撃もすぐ来ちゃったし。

 その後、魔神像は宇宙を目指してすっ飛んで行くわけですが、お!?と思ったのが、地上が昼間だったこと。
 今までずっと地下にいて画面が暗かったもんで、なんとなく夜の気分だったんですが、魔神像がヨミを抜けて地上に出たら突然明るい青空が広がってたんで、ちょっとびっくりしました。原作では殆んど気にしてなかったんだけど、この辺が色つきアニメのいいところですな。
 なんにせよ、これだけの闘いを地下で繰り広げ、プワ・ワーク人とザッタン人はせん滅の憂き目にあったと言うのに、地上は明るいピーカン天気で、人類は何も知らずに日常を送っているっていうのは、考えてみると空恐ろしい話であり、人知れず闘う00ナンバー達の悲哀がより一層際立つような気もします。
 なんてことない青空ですが、ちょっと感慨に耽ってしまったよ。

 さて、最終決戦にあたり、「009、君に賭けたい」と言うイワン。ジョーは無言で頷いて、魔神像の中に飛ばされます。
 このやり取りとか、最後にフランソワーズの手を握り返し、笑顔で消えて行くジョーはとてもいいなと思ったのですが。
 しかしのう。
 ここでどうしてもこれまでの越し方を思い起こしてしまうわけじゃよ。思い出すまいとしても思い出してしまうわけじゃよ。そうすると、やはり色々疑問が湧いてきてしまうわけじゃよ。

 リーダーでもない最年少の未熟者である島村君が、何故選ばれたのか。
 結局メイン操縦を一度もやらせてもらえなかった島村君が。
 加速装置しか売りがなく、それすら制限付きの島村君が。
 爆風で気を失ってしまうような島村君が。
 迷ってばっかりで精神的にメンバー中最強というわけでもない島村君が。
 高性能ではあるものの、戦闘センスもファッションセンスもない島村君が。

 これまで最強サイボーグとしての実力を見せてきたのならばともかく、しょっちゅう窮地に陥ってはイワンに助けられて、「世話がやけるなぁ」とイワン自身も内心思っていたのではあるまいか。

 あ・・・ もしかして、厄介払い?
 あるいは、イワンって大穴狙いなギャンブラーだとか?

 さてさて、イワンがジョーを厄介払いした、もとい、世界平和のためにジョーを犠牲にしたことを知り、泣き叫ぶフランソワーズ。イワンの揺り籠をものすごい勢いで揺すってますよ。
 それを見て、「泣くなよ、003」と、ジェットが飛び立つ。

 うーーーーーーん。

 いやぁ、これはちょっとどうでしょう。
 やっぱあそこは、天空をじっと見つめて無言で飛び立っていくからいいんだと思うんだよなぁ。これじゃ、フランソワーズのために行くみたいじゃないの。
 2→3の匂わせがある上、これまでジョーとジェットの交流がほとんど描かれていないので、「仲間のために」感が非常に薄く、ますますそういう風に見えてしまいます。っていうか、スタッフ的にはそういうつもりなんだろうな、多分。
 あと、流れ星が落ちた瞬間、フランソワーズが「ジョー!」と叫ぶんですが、これはいらなかったなぁ。
 てか、ジェットのことは呼んであげないの?どこまでも不憫な奴、平成ジェット。

 ハインリヒの 「003、君は009のことが好きだったのかい?」 と 「僕の好きな小説のセリフ」 ってのはなくなってました。
 個人的にはなくても別に違和感なかったけど、でも、なんでなくしちゃったのかね。わりと好きだっていう人の多いシーンだと思うけれども。特にハインリヒファンの人は。
 まぁ、これをやってると流れが途切れるし、益々尺が足りなくなっちゃいますが。

 魔神像内ではジョーが孤軍奮闘中。
 スカールとの戦いのジョーは強かった!ビュンビュン動いていたよ!
「やっぱりお前はロボットだよ」とか 「お前はいつも『これが最後だ』だと言い続けてきた。だが僕たちはそうはならなかった」 とか、これまでの天然可愛い子ちゃんな島村くんとは思えないような口調が良かったな〜。

 BGの本体である3つの脳の声は男性、女性、子供。
 その意図は分かり過ぎるくらい分かるんだけれども、本物の子供を使ったのはやや失敗だったんじゃないかと思われるぞ。
 やっぱ台詞回しが上手くないからさ、どうしてもそこでずっこけて緊張感が途切れてしまう。変に現実に還っちゃうというか。
 大人の声優に子供の声をやらせればよかったんじゃないかと思うんだけれども、なんかこだわりがあるんですかね。
 
 問答の台詞は多少変わっておりますが、大筋は同じ。
「人間の本質は悪だ。全ての悪は人間が存在するゆえにある」 と言われた瞬間、催眠中に自らが犯した殺戮を思い出し、「僕自身もあの時、闘いを楽しんでいた・・・」 と愕然とするジョー。
 なるほど、あの時の記憶が残っていたのはここへの伏線だったわけですな。
 平成版の問題の1つは、ジョーの闇の部分が全くなくなってピュアな天然可愛い子ちゃんになっちゃったところで、闇の部分を持たずして最後の善悪問答をしても説得力がないよなぁと懸念していたのですが、平成版なりの落とし所をつけたなぁと思いました。

 一旦はひるむものの、これまでのあれこれを更に思いだし、「人間の本性は悪かもしれないが、それを越える何かを持っている。僕はそれを見て来た」 と言い放つジョー。「幻影に過ぎない」という脳みそたちの言葉を振りはらい、魔神像を破壊し続けます。
 細かいことなんですが、この破壊シーン、もうちょっと長めに欲しかったぞ。あっというまに爆発終了だったよ。
 あと、原作で、「仲間は全滅したぞ」 と言われて愕然としたジョーが、脳派通信でジェットの声をキャッチして元気を取り戻すところが好きなので、それがなくなちゃったのはちょっと残念だったかな。

 さて、究極の決めゼリフ、 「君はどこに落ちたい?」 ですが。
 いやぁ・・・どうなんだろう。「ヨミ編」 だけを見てる分にはOKだけど、シリーズ通して考えると、やっぱり違和感ありまくり。このジェットは「君」とは言わんよなぁ。
 79年版も 「お前」 呼びだったけど、個人的には 「君はどこに落ちたい?」 でギリギリ行けると思う (野田ジェットは偉大だ)。が、平成版はちょいと難しいなと。
 こういう時、日本語ってやっかいだよね。英語その他だったらこういう問題はおこらないもんなぁ。

 「009」 中一番の名セリフ・名シーンだけに変更したら文句は来ると思うんだけど、今更文句の1つや2つ増えたところでどうってことないんだから (他人事だと思って酷いな)、このシリーズはこういうジェットなんだってことで、「お前はどこに落ちたい?」 にすれば良かったんじゃないかと思うんだけど、駄目かなぁ。
 だって、大幅なキャラ改変したからにはそこまでやらなきゃ意味がないんじゃないかと思うんだよな。やるならトコトンやり通すのがキャラや作品に対する責任ってもんなんじゃないかと。
 そこまでやったんだったら、「あぁ、今回はこういうジェットにしたかったんだよね」ってことで、好き嫌いは別にして、納得はできると思うんだけどなぁ。
 最後の最後の決めゼリフで 「ちょっと違うよな〜」 と思わせてしまってはイカンのではないかね。
  ただ、問題は、「お前はどこに落ちたい?」になると、途端にいやらしい感じになるところですかね。魔神像と共に腐女子の妄想大爆発。

 まぁ、色々文句を書きましたが、「ヨミ編」だけを見ればいい出来でした。エンドロールの「原作 石ノ森章太郎」を見た時はやっぱり感慨深かった。
 残り3話は、まぁ、おまけみたいなもんでしょう。どんなもんなのか、ちょっと楽しみ。
PR
  
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
Calender
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
Search
Copyright ©  -- Carpe Diem --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]